自由律俳句集の周辺 2 (自由律俳句)

妻のクローゼットの断捨離終えてここちよし

 

なにとなく妻ご機嫌で宜しい日

 

妻よ生まれ変わろう明日は禁煙外来に行くよ

 

呆けてきている三十六の春にして

 

ともかく詩文に目を通す事わたしのボランティア

 

妻は眠りわたしは近くのお寺まで

 

ひたすら運指する事アコースティック・ギターを弾く

 

三か月で学んだ事は早寝早起きよ

 

断捨離とは大人への入学式と妻が

 

妻とふたり不安ふりはらい歩く

 

つかれて冷めた空を仰ぐ

 

不飲酒の戒をやぶって妻ととろとろした

 

飲酒の不甲斐なさに次の日酒と分れ

 

朝快便であると良かった良かった二回言う

 

雨を忍んで歩く

 

この休みの日々に依存症を治そう

 

実家より手紙あり「健康増進せよ」

 

ミルキーウェイの語感に旅人は去って

 

残された胃痛のわたしと妻と

 

妻のためホルモン焼きをオレンジの籠に入れ

 

広告に洗脳されつつちょっとそこらのお寺迄

 

雲に雲が折り重なり黒い

 

竹の葉が風でかすれてザワザワと

 

未だ濁水の如き人間である

 

偽善者ぶるなと妻に言われて言葉を失くす

 

コーヒーを味わうでなく流し込む

 

風に押されてくたびれて

 

やわらかな言葉ほしくて自分で書く

 

朗らかなひとひになれよ