風が吹いている中に
死にきれない虫が一匹
六月の郊外の朝の
傷としてそれは
わたしの瞳を滲ませる
夢の無い朝は味気なく
炎天に使えた身で
やっと紙巻きたばこの
一本を嗜んでいる
そうして英気を養っている
事実 大損害だ
わたしは補填しようと画策し
西へ 東へ
歩きつめて書きつめて
すべてをここに告白しようとする
ナンニモ負ケズ
勝ツコトモ
ナク
只太陽がある
憂さ晴らしも許されない生活がある
野菜がある
今朝はまだ何にも摂っていなかった・・・
すべてを阿弥陀さまへお任せして
風
を切って歩こう
行って帰ってこよう
本日をおさめて眠ってしまおう